屑屋は歴史が重要? History-of-Dealer-of-Metal-Scrap-is-Important?

曽祖父、祖父、父など、数代続くスクラップ屋が存在する。

業態は、創業時と変わらず仕分けなどを行うスクラップ屋のままであったり、一部は屑の商社になったり。
100年以上も続いている屑屋も存在するくらいだ。

まぁ、2000年代に参入したスクラップ屋は、歴史が長いはずないけど。

屑屋は、IT企業(死語)とは異なり古くからある仕事なので、業種自体は長く続いても不思議ではないが、企業として続くのには理由がある。
当然、曽祖父の代から続いているこの歴史ある○○株式会社を!…という「誇り」もあるだろうが、多くは「直納問屋の地位」だろう。

銅スクラップの販売先と炉(精練)までの流れでも書いたが、炉に近い直納問屋は、そう簡単にはなれない。
先祖が苦労して維持してきたその優位性を、興味がないからといって捨ててしまうのは。

商社となったところ以外で長く続いているところは、家族経営のところが多い。

ここで、仮の経営陣を想定してみる。

■社長:親父サン
曽祖父の代から続いている、直納問屋の代表者だ。
屑の目利きは曽祖父から叩き込まれ、カラダで覚えた。
集荷も営業も分別も全て経験してきており、60歳を過ぎた今でも重機を操る。
そろそろ息子に譲るべきかと思ってはいるが…
正月には箱根駅伝を必ず見ている。

■専務:長男
独身。
高校を出た後、某屑屋で修行(当然、家業が屑屋とは言わずに)し、その後退職、家業を継いだ。
曽祖父から続いたのと同じように、このまま自分が後を継ぐのだろうと思っている。
というか、他に後継者がいない。
屑屋増加による屑の集荷競争に巻き込まれ、モノを集めるのに苦労している。
ソバよりはうどん派。

■?:社長の嫁サン
専務の母チャンであり、総務部長 兼 経理部長 兼 実質的な社長(または代表取締役会長)であり、財務大臣(旧大蔵大臣)をも兼ねる実力者(笑)である。
社長が古いトラックを買い換えようかと提案したが「まだ乗れる!」と言って予算非承認となった。
最高意思決定機関の長であり、たとえ社長の決定事項でも、その遂行には総務部長 兼 経理部長 兼(略)の承認が必要だ。
西田敏○が嫌い。

■外部:次男
もう一人の息子である、次男。
トーキョーに出てIT企業に勤めており、屑業に全く興味ナシ。
どうせ兄貴が継ぐモンだし。
トーキョーで相手を見つけ結婚、息子が1人。
屑屋である実家に帰省した際、社長(父親)が息子(孫)をユンボの座席に乗せて写真を撮っていたのを怪訝そうに見ており、後で嫁サン(東京で結婚した配偶者)に「危ないやないの!」小言を言われたが、何も言い返せずにいた。
この家庭でも、嫁サンへの「権力集中」が、既に始まっている。

といっても、同じく古くからある農業の後継者不足のように、後継者不足に悩む屑屋も多いよう。
職業に○○はないが、若者がヤリたい仕事であるかというと…

そんな後継者の居ない屑屋を、●●する業者もあるみたいで。