スクラップ業者の場所と近隣との摩擦 Confriction-between-Scrap-Yard-and-Arounds

スクラップ業者は、スクラップを在庫として保管するための、広い敷地が必要となる。
これを「ヤード(Yard)」と呼ぶ。

ヤード内には、トラックだけでなく、リフトやユンボ(機械式フォークを装備した重機)、重量を量るための計量器(カンカン)が必要となる。
スクラップはトラックに載せたまま量るので、40トン以上計量可能な「トラックスケール」を使うことが多い。
スクラップを載せた状態(満車)-カラの状態(空車)=スクラップの重量、ということだ。

スクラップの盗難を避けるため、周囲を高い塀で囲い、さらに塀や入口周辺にセキュリティーシステムを持つところも多い。
高い塀で囲うのは、スクラップの見た目がよくないことと、発生する騒音やホコリを防ぐことで、近隣との摩擦を避けるためでもある。

広い土地が必要であることと、近隣住民との摩擦から、市街中心部にヤードを持つことは難しい。
稀に中心部にヤードを持つ業者があるが、屋根付ヤードで密閉度が高い、歴史が長い、地域の有力者などの理由がある。
これらは容易に得られるものではないので、市街地に新規でスクラップ業で参入するのは避けるべきだろう。

参入したはよいが、近隣の反対運動により追い出された業者も存在する。
高い外壁を設けても、スクラップの破砕や積み込み、そして重機から発生する騒音を防ぐことは困難である。

また、スクラップから発生する廃液の類の処理をトラップ等で確実に行わないと、周辺の土壌を汚染することなる。
この場合、周辺に民家がなく、田畑のみであっても、田畑の所有者との摩擦が生じることになる。
山中深くにあるスクラップ屋も少なくないが、それは単に土地の安さだけでなく、このような摩擦を避けた結果でもあるのだ。

但し、人気のない山中にヤードを設けると、水道がない、盗難の多発というデメリットがある。
盗みに入る連中は武装している可能性もあるため、防犯のためとして山中のヤードに泊まることは避けたい。