銅スクラップ屋の運送 Delivery-of-Scrap-Dealer
ある程度の規模のスクラップ屋は、少なくともトラックを持っているが、深箱の専用車を持っているとは限らない。
側板が多少高いトラックで済ませているところもある。
これは、扱う屑の種類にもよる。
フレコン(フレキシブルコンテナと呼ばれる大きな袋)に銅屑を詰めて扱う場合は、深箱の専用車は不要であり、側板が多少高いトラックで十分だ。
重厚な車を持っていると確実ではあるが、整備費や保管代もかかるし、そもそも回転しないと意味がない。
屑やであっても、重厚な車を持つのが必ずしも適切とは限らないのだ。
だが、雑品やエアコン屑など、バラ積みの場合は、専用の深箱車が必要となる。
側板が多少高い程度のトラックには多くを積めないし、ユンボのフォークで上から押すと車がイク。
深箱車を持っていない屑屋が、雑品やエアコン屑を扱う場合、どうするか?
運送屋に頼んで運ばせるのである。
といっても、佐川やヤマト、西濃など、普通の運送屋ではない。
スクラップ業に適した車を持っている、屑屋を相手にする運送屋が存在するのである。
ウイング車、側板車、深箱車などが揃っている。
深箱車に自社ヤードに取りに来させ、雑品やエアコン屑を、港へ運ばせる。
運送屋によっては、ドライバー自らがユンボで積むこともあり、この場合、ヤードにとっては、自社の人間を使わないので歓迎される。
が、事故発生時の責任問題があるので、運送業者に積ませるのは…
スクラップ向けの運送屋にはあまり見られないが、帰り便を使うと、運賃が安く上がる。
帰り便とは何か?
例えば、東京から大阪まで何かを運んだ車があるとする。
その車は大阪で荷物を降ろした後、空車で東京に帰ることになるが、空気を運んでいるので無駄。
何か積んで帰りたい。
大阪から東京にモノを運びたい業者が、このような空車を見つけることができれば、安く運んでくれるのである。
これが帰り便ね。
帰り便は安く済むが、常にあるとは限らないことと、前の荷降しの都合上、何時に荷物を取りに来るかを指定できないというデメリットがある。
先の例では大阪のどこかで何かを降ろしてから来るので、こちらに来る時間を指定できないわけだ。
遠方にスクラップを取りにいく場合、帰り便を使うことを考える。
最近はホームページを持つ屑屋が増えたこともあり、屑屋の商売範囲が広がった。
信じられないくらい遠いところから、屑の話が来ることもある。
当然、運賃を考えて割に合わなければ断るか同業者に流すが、合うのであれば、遠方でも引き取りに行く。
昔とは違い、屑の発生が少ない昨今、商売になるなら行かないと。
先方の売値によるが、少なくとも銅屑などの単価の高いものでないと、割りに合わないが。
帰り便は、そう多くはない。
付き合いのある運送屋がどれくらいいるかも、屑屋の力なのかもね。