銅を含むスクラップ「エアコン屑」 Scrap-of-Air-Conditioner

エアコンはエアーコンディショナー(Air Conditioner)の略で、暖房や冷房を行い、空気の温度を調整する装置。
日本では、夏は冷房を、冬は暖房を使用する。
製品(中古品)で扱うのではなく、含まれる金属が目的である。

含まれる金属が目的であるから、解体する必要があるが、エアコンの解体は非常に手間がかかるため、人件費の高い日本では割に合わない。
よって、エアコン屑の多くは、人件費の安い中国に輸出される。

船積みで中国に到着後、スクラップヤードに送られ、エアコンスクラップは解体される。
エアコンの解体で得られる金属は、外装の鉄、コンプレッサー(黒モーター)や銅とアルミニウムからなるエアコンラジエーター、プラスチックなどがある。
ラジエーターは中国で解体し、銅管とアルミフィンに分ける。
これは手作業での解体なので、かなり大変である。

銅管の間をナタ状の刃物で叩くと、アルミが凹み銅管が浮き上がるので、浮いた銅管をペンチで引き抜く。
昔のエアコンは重量が大きく、含まれる金属も多かったのだが、最近のエアコンは軽く、含まれる金属も減っている。
金属の使用量を減らす一方で、銅のアルミニウムへの置換が進んでいるのだろう。

室内機を「内機(ないき)」室外機を「外機(がいき)」と呼ぶ。
内機と外機のセットで「ない」場合、買取価格を変える場合もあるようだ(内機と外機では含有金属の量が異なるため)。

エアコンを重量で買う場合はまだしも、台数で仕入れる場合は注意。
これは、同じ1台でも含まれる金属量が異なるため。

家庭用のエアコン以外に「業務用エアコン」がある。
業務用エアコンにも「内機」と「外機」があるが、内機にラジエーターがないものがあるので注意が必要(外機のみで熱移動を行い、内機は噴出すだけのもの)。
窓枠にはめるウィンドウクーラー、移動可能なスポットクーラーなどもある。

ガスヒーポン(GHP)やエンジン式のような、特殊なエアコンには注意すること。

室外機に巨大なエンジンが搭載されているものが存在する。
エンジンには油が含まれており、その中には有用な金属が含まれていないので、買取価格を下げるか、エアコンとして扱わない場合もある。
業務用室外機の場合、ビルの屋上に設置されていることがあり、撤去含め依頼されると、クレーンや道路通行止が必要になり、ガードマンの準備など、コストが膨大になるので注意。

近年、エアコン室外機の盗難が多発しているが、これは屑屋に売る換金目的である。