雑品風「電子ゴミ」が、タイから突き返される 電子基板含有で
約2年前に日本から輸出されたものの、電子基板などの有害な電気製品ごみが含まれるとして、タイ政府が輸入を拒否した金属スクラップ約200トンを積んだ船が12日、日本に返却するためタイ中部レムチャバン港を出航した。
22日に日本に到着する予定。
返却されるのは日本の廃品業者が回収したスクラップ。
リサイクル目的でタイに輸出されたが、2014年8月にタイ税関の検査で鉛を含む電子基板などが混入していることが判明した。
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相手がタイでよかった、という声が多数聞こえてきそうですが…
さて、ここで問題。
返却に2年もかかったのはなぜでしょう?
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リサイクル目的とは言いながら実際はゴミであるものを拒否するとは、さすがはタイ政府!ではなく、バーゼル条約で義務付けられている「事前通告」がなかったのが返却の理由。
つまり、事前通告があれば、通ったということ?
「バーゼル条約」とは、国境を越えた有害廃棄物の移動を禁止する国際法。
有害廃棄物ではないと証明した上で、事前通告しなければならない。
日本は1993年に加入し、その履行のための国内法として「バーゼル法」が定められている。
日本では、主に外務省と経産省がかかわってくるが、スクラップ屋にとってはほとんど経産省だろう。
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日本国内でゴミを処理するには認可を受けた産業廃棄物処理業者に処理費用を払って処理を依頼する必要があるが、リサイクル目的としてごまかし、外国に1円でもいいので売れば、処理を安く済ませられる。
そういった不正な処理を防ぐものだ。
まぁ、家電雑品を輸出すれば、鉛を含む半田が基板が確実に含まれるので、通告があってもバーゼル条約違反になり、相手国は輸入できないはずなんだけど、互いに商売であり、利害が一致すれば通ってしまうのが現実なのだ。
鉛フリーの半田が広まっているが、鉛フリー品のみが使用された基板のみを選別することは不可能であるし、雑品の価格が選別費で上昇、商売にならない。
半田だけでなく、被覆電線の被覆にも、鉛が含まれていることがあるから、雑線の輸出もNGになるね。
また、リサイクル目的での輸出とあるが、リサイクルできない部分の処理は、相手国でどうなるのか?
相手国内でカネをかけて処理すれば赤字になるし、どこかの山へ●●投棄?
まぁ、そんな細かいことを言ってると、商売できまへんで…
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